育て方の概要
オクラの原産地はアフリカ北東部で高温を好みます。
日本には、江戸末期に入ってきました。
ハイビスカスと同じアオイ科で、黄色い大きな美しい花を咲かせます。
上写真のヒルカントリーレッドは、茎の赤色も鮮やかです。
最初は、観賞用として栽培されていました。
本格的に食用として栽培されるようになったのは1970年以降です。
今では、アメリカ南部での栽培が盛んです。
狭い場所でも栽培でき、長く収穫できるので、家庭菜園にオススメの野菜です。
蒔き時 5月上旬~6月中旬(露地直まき)
収穫期 夏から秋
発芽適温 25℃~30℃
生育適温 25℃~30℃
<畑の準備>
2列植えにする場合は、畝の幅は、80cm以上にします。
水はけの悪いところでは、畝は高目に(20cm以上)にします。
根は、硬い土壌でも良く伸ばし、乾燥や多湿にも強く、育てやすい野菜です。
<直まき>
種まきは、土壌が適度に湿っている時に行います。
オクラは直根性で定植を嫌いますので、直まきにします。
2~3本立ちにする場合は、株間は60cmくらいにします。
1カ所で複数本を育てることで、生育がゆっくりになります。
それによって、実が硬くなるのを遅らせることができます。
種同士をやや離して、1カ所に4~5粒、種の大きさの3倍くらいの深さに蒔きます。
<鎮 圧>
種を蒔き終わったら、しっかり土の上から踏み固めておきます。
種と土とを密着させることで、適度な水分が保たれ、発芽率が上がります。
畝が、よほど乾燥していない限り、水を撒く必要はありません。
<敷き草>
畝全体に刈った草を薄く敷いておきます。
そうすることで、畝の乾燥を防ぎ、土壌環境も安定します。
ただし、芽が出たときに、子葉が敷き草で覆われないようにします。
オクラの子葉は、湿った所では、ナメクジに食べられやすくなります。
(健全な生育であれば、本葉の芽は食べられることはありません)
食べられて無くなってしまうのは、自然の間引きと考えます。
(徒長した芽、土壌の肥料過多、その土地に合わないなど)
<間引き>
本葉が3~4枚くらいになったら間引いて、育てたい本数を残します。
<収 穫>
実が好みの大きさになったら、実の根元をはさみで切って収穫してください。
次々に結実しますので、取り遅れないようにします。
取り遅れると筋ばって食べられなくなりますので、採種用に残しておきます。
<食害について>
葉っぱに、フタトガリコヤガなどの幼虫が付くことがあります。
でも、食べられるのは、葉っぱの老化した部分だけです。
実の生育には影響しませんので、虫を捕殺する必要はありません。
採種の仕方
種採りのための実は、完熟するまで、取らずに置いておきます。
<交雑防止>
すぐそばに、別品種のオクラがある場合は、交雑を防ぐ必要があります。
封筒状の袋を、つぼみにかぶせることで交雑を防止できます。
自家受粉しますので、花粉を付ける必要はありません。
<選抜・収穫>
生育が良く、実付きの良い株から種を採ります。
実が乾燥して茶色くなって裂けてきたら収穫します。
丸さやのオクラは裂けてこないので、乾燥して全体が茶色くなったら収穫します。
<種を取り出す>
さやを割って種を取り出します。
小さなゴミを取り除きます。
<乾 燥>
風通しの良い所で2~3日、陰干しにします。
夜間は、夜露にあたらないように室内に入れてください。
<保 存>
乾燥した種をビンなど密封できる容器に入れて、冷蔵庫で保存します。
保存状態が良ければ、5年くらいは十分に持ちます。