摘芯・芽かき・摘果について
私たちは、つい、地上部(茎葉)の生育にとらわれてしまいます。
でも、本当に大事なのは、地下部(根)の生育です。
実は、この地上部(茎や葉)と地下部(根)は、協調しながら育つようになっています。
つまり、側枝(脇芽)が勢いよく伸びている時は、根も同じように伸びています。
それによって、地上部が作る炭水化物と、地下部から取り入れる養分とのバランスが取れるのです。
こうした協調は、植物ホルモンによって制御されています。
簡単にいうと、枝葉が根の生育をうながし、根が枝葉の生育をうながしていることになります。
つまり、側枝(脇芽)を切るということは、根を切っているのと同じです。
そして、新芽を育てることが、根を育てることになります。
したがって、生育が悪い状態では、脇芽は摘み取らないようにします。
(ますます生育が悪化してしまいます)
逆に、株に勢いが無い場合は、積極的に摘果を行います。
(生育初期は、花の段階ではなく、結実してから摘果します)
野菜は、実を、育むのに多大なエネルギーを使っています。
その実を間引くことで、負担を軽減できます。
つまり、実に注がれるエネルギーを、根を伸ばすことに使ってもらうのです。
それによって、株の勢いを取り戻すことができます。
ちなみに、一般的には、「脇芽は、こまめに全て摘み取るように」といわれています。
でも、これは、肥料を与えることが前提になっているからです。
肥料を与えると、野菜は、茎葉ばかりが繁って、実が育ちにくくなります。
その矯正のために、芽かきが必要になってくるのです。
無施肥による栽培では、地上部が育ちすぎるということはありません。
したがって、積極的に摘芯や芽かきを行う必要はありません。