カボチャの育て方-無肥料・無農薬で栽培

育て方の概要

 カボチャには、西洋カボチャ、日本(東洋)カボチャ、ペポカボチャ(ズッキーニなど)の3系統があります。
 それらは、アメリカ大陸原産ですが、育ってきた環境(地理的条件)が異なり、各々特性を持っています。
 日本カボチャは、メキシコなど熱帯地方で栽培され、高温・多湿に強いとされています。
 西洋カボチャは、南米アンデス高原で栽培され、比較的低温に強いとされています。
 ペポカボチャは、メキシコの高地で栽培され、低温・乾燥にも強いとされています。

 蒔 き 時 4月下旬~5月下旬(露地直まき)
 収 穫 期 夏から秋
 発芽適温 25℃~30℃
 生育適温 20℃~30℃(日本カボチャ)
      17℃~20℃(西洋カボチャ)
      18℃~27℃(ペポカボチャ)

<畑の準備>
 カボチャ専用の畝を作る場合、畝幅は3m以上は確保したいところですが...
 そうなると広い畑が必要になります。
 広いスペースを確保できない場合は、隣の畝まで這わせるとか、他の野菜の隙間に誘引するなどします。
 または、キュウリのように支柱を立ててネットを張って、上方に誘引する立体栽培にします。
 そして、大事なのは、長雨でも、畝に水がたまらないようにすることです。
 畝に水がたまると、菌類など土壌微生物の生息環境が壊れてしまいます。
 (自然栽培は、菌類など微生物に支えられています)
 水はけの悪い所では、必ず、高畝にして、水路を作って水がはけるようにします。
 そして、畝の上に、刈り取った草を厚めに敷いて覆っておきます。
 それによって、温度や湿度など、土壌の環境が安定します。
 また、雑草の発芽や生育を遅らせることができます。
 このように、環境さえ整えておけば、後は、ほとんど放任栽培できます。

<直まき>
 株間は80cmくらい、1カ所に3粒、種の大きさの3倍くらいの深さに蒔きます。
 土をかけたら十分に鎮圧しておきます。

<間引き>
 本葉が出る頃に1株、本葉が2~3枚くらいになった頃に1株間引いて、最終的に1株にします。(茎が太く短い、葉っぱのきれいな株を残します)

<誘 引>
 夏草の勢いが増してきた頃に、刈り取った草を畝に敷いてツルを誘引していきます。
 実の下に、十分な敷草をすることで、きれいな実を収穫できます。

<収 穫>
 日本カボチャの場合は、ヘタ(果柄:実とツルが繋がっている部分)の表面が固くなり薄茶色に(コルクのような質感に)なったら収穫します。
 西洋カボチャの場合は、ヘタの変化では分かりにくいので、実が品種特有の果皮色になってから収穫します。
 バターナッツかぼちゃは濃いベージュ色、打木赤皮甘栗南瓜は濃いオレンジ色になったらなど...

<追 熟>
 収穫してすぐは、水っぽくて、甘みがあまり感じられません。
 2週間~1ヶ月程度、風通しのよい日陰に置いておくことで甘みが増します。
 (追熟することで、果実内の酵素がはたらいてデンプンが糖に変わります)

採種の仕方

<選抜・収穫>
 完熟果を食す日本カボチャや西洋カボチャの場合は、収穫して、追熟して、食べる段階で、採種できます。
 未熟果を食すズッキーニなども、完熟を待ってから(ヘタの表面が固くなりコルク状になってから)収穫します。
 採種用として、生育が旺盛で、着果率が高く、好みの形・大きさの実を選びます。
 そして、食べておいしかったものから種を採ります。(完熟果を食べるものは)

<種を取り出す>
 種の水洗いは、なるべく晴天日の朝に行うようにします。
 (速やかに乾燥させることができるように)
①種を傷つけないように気をつけて、包丁でカボチャを半分にします。
 実の周りに(ワタの部分を避けて)切り込みを入れて、半分に割るような感じで...
 (一気に切断するのではなく)
②半分に割れたら、種の熟し具合を観察します。
 凹んだ種や薄っぺらい種が多い場合は、その実からの採種はやめにします。

③スプーンなどで、ワタごと種を取りだします。
④取り出した種(ワタごと)を、水を張ったボールなどの容器に移します、
⑤水の中で、ワタをもむと、ワタから種がはがれ、種だけが浮いてきます。
 腐敗した種は、水分を含んで沈みます。
 (沈む種は、表皮のツヤが無くなっています)
 そんな種も、ほとんど中身は大丈夫ですので、問題なく発芽しますが...
 水選では、基本的に、浮いた種を良い種とします。(キュウリとは逆)
 未熟の種も浮いてしまいますが、それは、後から目視で選別するようにします。
 (また、日本カボチャの中には、良い種のほうが沈むという品種もあるようです)

⑥浮いてきた種を、テボや網ザルなどですくい取ります。
 または、容器を傾けて水と一緒に流し、種だけ網ザルなどで受けます。
⑦すくい取った種に、流水をかけながら、ワタの破片などを取り除きます。

<乾 燥>
 きれいになった種を、網ザルなどに広げます。
 その際、ふっくらした中身の詰まった種を残し、未熟な種は取り除きます。
 半日くらい天日に当てて、水分を飛ばします。
 風通しの良い所で、3~5日くらい陰干しにします。
 鳥が来るようなところでは、必ず、網ザルの上にネットなどをかけてください。
 (カボチャの種は、鳥の大好物です)
 夜間は、夜露にあたらないように室内に入れてください。

<保 存>
 乾燥した種をビンなど密封できる容器に入れて、冷蔵庫で保存します。
 カボチャの種は、やや短命(2~3年)といわれていますが、保存状態が良ければ、5年くらいは十分に持ちます。